うな昇と桜洞城と萩原諏訪城とアン・デュ・プレジールの青春@岐阜県下呂市

そのとき僕は53歳でJR岐阜駅のホームに一人きり立っていた。「東へ行こうか、それとも西か。ふ、まだ決めていないさ。そうだ、次に来る列車に飛び乗ろう」。僕は目を輝かせながら今日の僕の一日を運に任せ、天に預けた。バックパックの中には日帰り入浴セットが思いっ切り入っていたけど大和田(爆)。ハハハ、3日も前から下呂温泉に決めとったっちゅう話やがな。そう、昨日から青春18きっぱーの熱い春はスタートしたんだよ乗り鉄ベイベー。で、JR下呂駅に着くや否やサクッと『うな昇』で「上うな重」を食った僕がいた。共演者は生ビールと枝豆と梅酒のロックたち。うん、無難に美味しいし店員の応対も丁寧でOKだけどきっと再訪はないだろう。その理由は分からない。

誰も訪れないだろうスポットを一人占めするという行為は、デコレーションケーキの真上から自分の顔面を垂直に落とすことのできる権利を獲得したのと同じくらい新鮮でうれしいものだ。とは言え、火の点いたローソクだけは勘弁だよ。その歓喜を実感すべくJR飛騨萩原駅に降り立った僕だった。

うん、たしかに誰もいないどころかカラスすら寄って来ねぇぜ桜洞城。下呂市の指定史跡だったら、ちったあ雑草くらい刈ったらどうなんだ。これじゃあアオダイショウでも道に迷っちまうだろうに。

桜洞城を後にした僕は、あまりの方向オンチゆえに来た道を戻るしか元の場所に戻ることができない弘道が来た道を戻っている真っ最中に石田さんから細野敦郎に対する愚痴の電話がかかって来たので嗚咽するほどの凄まじい孤独から脱出することができた。ありがとう、僕の貴重な残念ちゃんたち。その23分後に次なる目的地に到着したが、なんてこったいトンビすら寄って来ねぇぜ萩原諏訪城。

もう大都会のお家へ帰ろう。ってことで、当然のように来た道を塗りつぶすかのように丁寧に歩いていたら駅のすぐ近くでクレープ専門店『鈴木杏樹がプレデター』いや『アン・デュ・プレジール』とめぐり会った。ここでめぐり会うのも何かの縁だろう。そして僕は期間限定の「ガトーショコラ」と愛し合った。いい一日だった。来月も同じコースを歩けと言われたら確実にキレる自信はあるけど。

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